AV出演強要問題や性被害など、女性の権利の確立に精力的に取り組んできたことで知られる伊藤和子弁護士が、AV事業者に対する逮捕報道に触発されたツイッターでの発言を理由に、AV事業者から名誉毀損による損害賠償請求を求める民事裁判を提訴され、東京地裁、東京高裁で敗訴判決を受け、最高裁判所に上告並びに上告受理申立てをしていたが、最高裁判所第三小法廷は、本年5月11日付けで、上告棄却並びに上告審として受理しない決定をした。
 本件は、ツイッターの言論空間における論評の自由が問題となっていた事案であり、東京地裁、東京高裁のような判断は、声を上げられない女性たちの声を代弁し、人権問題や社会問題に関する個人の発言や意見表明を危機にさらすものであり、民主主義社会にとって不可欠な基本的人権である表現の自由を著しく制約し、弁護士その他の人びとのソーシャルメディアにおける社会的発言に萎縮的効果をもたらすものであるから是正されなければならないとの観点から、上告及び上告受理申立てをしていたが、理由もなくこれを認めなかった最高裁判所の判断は極めて遺憾である。
 弁護団としては、今後も、伊藤和子弁護士によるAV業界の被害救済のための活動を強力に支援していく所存である。

2021年5月13日