So What?  

 残念ながら最高裁は、渾身の上告申立てを受理もしないで、この大事な問題をすり抜けようとした。人間の機微に触れる性的な問題に対する卑劣な振る舞いに怒り、鋭い言葉で表現した「抗議」に耳を塞ぎ、目を閉じ、人間の本源に触れる不埒な振る舞いへの「抵抗の拳」を前にして、これに憲法や人権法の光をあてることなく、訴えを闇に葬った。

 19世紀のアメリカで、広大な農地に侵入して、奴隷を鎖につないだプランテーションの所有者を呪ったとき、そもそも奴隷を「所有」すること自体が、独立宣言や建国の素志である「人間の平等」に反する「旧弊な制度」であり、呪いの言葉は短いながら、これに対する根源的な批判であり、人類解放の最初の一声だったともいえる――が、このことを当時のだれが認めただろうか。

 現世の法廷が聞く耳を待たず、判断する公正な天秤はないとすげない扱いをしても、ぼくらは「歴史の法廷」に最期の裁きを求めることができる。最高裁第三小法廷が判断を拒否したって――So What ? そんな人間の尊厳に反する「商取引」が許されるはずはない。「理は我にあり」――Cheer Up, Kazuko ! The Future is ours !

呼びかけ人代表
新倉 修(青山学院大学名誉教授・弁護士)


 最高裁の上告棄却の決定を受けて、とても残念に思います。
 社会における権力関係を無視した判断により、声を上げにくい人たちの代弁者が、今後声を上げれなくなることを懸念します。この社会は、あらゆる権力関係にからめとられています。対等な存在を前提とした近代法のあり方が今後見直される必要があります。

呼びかけ人代表
後藤 弘子(千葉大学大学院教授)